ブロックチェーン技術とは?仮想通貨に?仕組みなどわかりやすく解説
私たちの暮らしを一変させたと言われている5G。
そんな5G時代において「IoT」「クラウド」「ブロックチェーン」「AI」を、4種の神器と呼ばれているのはご存知でしょうか。
これらの4種の神器は、テレビやネットニュースで目や耳にすることは多いものの、その実態をきちんと理解できている人は少ないかもしれません。
このコラムでは、4種の神器のひとつ「ブロックチェーン」についてわかりやすく説明していきます。
目次
4種の神器はすべて繋がっている?
まず、4種の神器「IoT」「クラウド」「ブロックチェーン」「AI」とは何か?簡単に説明していきます。
IoTとは?
「IoT」は、Internet of Thingsの略で、さまざまなモノがインターネットに接続されていることを意味します。
冷蔵庫やロボット掃除機、エアコンなど、簡単にスマホと繋いで操作できる家電が増えていますよね。このIoTは、4Gでは通信速度や要領に制限がありましたが、5Gの普及で飛躍的に進化すると言われています。
クラウドとは?
「クラウド」は、USBや外付けハードディスク、企業が独自で用意したサーバーに頼っていたデータの保存先です。
IoTによるデータ収集で、それまでよりはるかに膨大なデータの保存が必要になりました。
私たちが普段利用しているGoogleの「Google Drive」やAppleの「iCloud」がクラウドサービスのひとつです。中でも世界を制圧しているクラウドサービスが「AWS」で、Amazonが提供しています。
ブロックチェーンとは?
「ブロックチェーン」は、IoTで集めたデータをクラウドに保存する際に、データを安全に管理する技術です。
特定の管理者・管理機関のもと、ひとつのサーバーにデータが管理されている中央集権型ではなく、取引をしているユーザー全員で管理を行う自律分散型です。このような仕組みはpeer-to-peer(P2P)とも呼ばれます。
AIとは?
「AI」は、IoTで集めたデータをクラウド上に保存し、ブロックチェーンで安全に管理された後、そのデータを分析して、活用方法を考えます。
たとえ膨大なデータが集まったとしても、それを正しい活用の仕方に導いてくれるAIがなければ、単なるログデータとしての価値しかありません。
このように、5G時代の4種の神器と呼ばれる「IoT」「クラウド」「ブロックチェーン」「AI」の最新テクノロジーは、単独して存在しているものの、すべてが繋がることでその価値を最大限に発揮できるものなのです。
人類の未来を変える!?ブロックチェーン
4種の神器のうち「IoT」「クラウド」「AI」は、すでに私たちの生活の身近なテクノロジーとして少しずつ定着しています。
しかし「ブロックチェーン」は、人類の未来を変える大発明と言われているにもかかわらず、その潜在能力の高さを上手く使いこなせていないのも事実です。
総務省が公表するブロックチェーンの概要は以下の通りです。
”ブロックチェーン技術とは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の暗号資産に用いられている基盤技術である。”
ブロックチェーン技術をもとにしたのが、ビットコインなどの仮想通貨なのですが、ここで間違えていけないのが、「ブロックチェーン」≠「ビットコイン」ということです。
ビットコインが大暴落したというニュースだけを鵜呑みにして、ビットコインは危ない、だからブロックチェーンもなんだか危なそうという考えは正しくありません。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンには特定の管理者・管理機関が存在しません。つまり、ブロックチェーンがひとつのサーバーなどに保存されているわけではなく、取引をしているユーザー全員がこのブロックチェーンを管理しているのです。
ブロックチェーンのメリットには、以下が挙げられます。
①信頼性
②ゼロダウンタイム
③低コスト
①信頼性
最大の特徴は、セキュリティの高さです。
ユーザー全員がブロックチェーンを見張っているため、独裁的な運用や改ざん、嘘のデータを入力することは絶対にできません。
②ゼロダウンタイム
ひとつのサーバーに保存されるものではないので、システムがダウンすることはありません。システムを止めることなく運用可能です。ユーザー全員がブロックチェーンを管理しているため、サーバーメンテンナスやサーバー不具合は生じません。
③低コスト
ユーザー同士が直接取引するため、特定の期間を介する必要がないので、手数料がかかりません。
新しい発想から生まれた仕組み
中央集権型の「IoT」「クラウド」「AI」は、すでにGAFA(Google・Apple・Facebook(現:Meta)・Amazon)の4社が牛耳っているのは明らかです。
Microsoftの逆襲とも言われる<>Chat GPTなども例もありますが、それも中央集権型であることに違いありません。
そんな中、自律分散型の「ブロックチェーン」だけが、情報漏洩ができない・改ざんや独裁的な運用ができない・みんなが平等という、これまでとは異なる新しい発想から生まれた仕組みなのです。
課題も多いブロックチェーン
他の4種の神器と比べ、やや遅れをとっている印象のブロックチェーン。
その理由は、これまでとは発想がそもそも違うテクノロジーのため、法律が追いついていないという国の問題や、中央集権型で利益を得てきた企業の問題などが挙げられます。さらに、ブロックチェーンの仕組みを正しく使いこなせる人材不足も大きな課題です。
世界200の国と地域で6憶9,000万人が利用する世界最大級のビジネス特化型SNS「LinkedIn」が発表した「2020年、企業がもっとも必要としているハードスキル※」では、クラウドコンピューティング(2位)やAI(4位)を抑えて、ブロックチェーンが1位に選ばれています。
※ハードスキルは、勉強して習得する専門的な知識やスキルのことです。
ニーズの高まりや画期的な革命であるものの、ブロックチェーンの分野に精通した優秀なエンジニアが、世界的に見ても少ないのが現状です。
ブロックチェーンを私たちの暮らしに定着させるためには
5G時代の到来と言われても、自分の生活が見違えるように変わったと実感できている人は少ないかもしれません。
むしろ4G時代と何が違うの?と感じている人も多いのではないでしょうか?
しかし、この5G通信時代は、単にデータの送受信が大容量になったり速度が上がったりするだけではなく、5Gをベースに4種の神器である「IoT」「クラウド」「ブロックチェーン」「AI」の最新テクノロジーが組み合わさって、新しい社会をつくっていくと言われています。
その中で、新しい技術であるゆえに課題も多いブロックチェーンは、その仕組みを理解し導入することで解決できるような潜在ニーズを見つけて、その基盤を構築していくことが、ブロックチェーンを私たちの暮らしに定着させるための第一歩なのかもしれません。