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メタバースの意味とは?市場規模や未来についてわかりやすく解説

メタバースとは
近年、「メタバース」という言葉をテレビやインターネットニュースなどで聞く機会が増えています。

メタバースは、高次・超越という意味のメタ(meta)と、宇宙を意味するユニバース(universe)を組み合わせた造語。インターネット上につくられた、3D仮想空間や仮想空間の中で提供されるサービスのことをメタバースと呼んでいます。

このコラムでは、今話題のメタバースについてわかりやすく解説していきます。

3D仮想空間、メタバース

3D仮想空間と聞くと、遠い未来の話のように思われますが、実はメタバースはすでに私たちの生活の身近なところにも存在しているのです。

「あつまれ どうぶつの森」や「フォートナイト」、「ファイナルファンタジー」というゲームを聞いたことはあるでしょうか?
メタバースゲーム例
実際に体験したことのある人なら、想像しやすいと思いますが、それらはメタバースの一例です。

使い方が限定的ですが、ネット上に存在する仮想空間で、ごく限られた人が楽しめる、エンターテインメントのひとつです。

予測される2030年の世界市場規模

世界市場規模が78兆円を超える見込みのメタバース

総務省が公表している資料によると、メタバースの世界市場は、2021年には4兆2,640億円だったものが、2030年には78兆8,705憶円まで拡大すると予想されています。
メタバースゲーム例
数字だけを見ると、何がなんだかわからないような莫大な額になっていますが、エンターテインメント領域の新しいソリューションという認識だったメタバースが、建設業・医療業界・教育現場・行政など、あらゆる業界に広がり、急速に民主化が進むと言われているのです。
これは、1970年頃のインターネットが出現したとき以上のインパクトがあると言われており、メタバースは間違いなく近い将来、私たちの生活に大きな影響を与えると予想されています。

しかし現状、メタバースという言葉は、メディアが多用しているだけのバズワードやキャッチーな言葉ととらえている人も少なくないはずです。

流行のきっかけとなったセカンドライフ

過去に、メタバースに本気で取り組んだ企業があります。

アメリカのベンチャー企業「Linden Lab(リンデン・ラボ)」は、2003年にメタバースに取り組み、セカンドライフという仮想空間をつくりました。
セカンドライフ
しかし、多額の資金を投じた割にうまくいかなかったので、“近い将来メタバースが自分たちの生活に大きな影響を与える”と言われても、セカンドライフの二の舞になるのではないか?と感じる人もいるかもしれません。

しかし、2003年当時と現在とではメタバースの発展を左右する決定的な違いがあります。

それは「通信速度」です。
20年前は、今の5Gどころか4Gもない時代です。動画のダウンロードさえ十分できない時代に、動画よりも重たい3Dのデータなんて処理できるはずがありません。

動画サクサク5G時代の今、当時課題とされた通信速度問題は解消されています。
VRを楽しむ
メタバースへ期待の大きさの表れとして、アメリカのIT企業大手であるGAFA(Google・Apple・Facebook(現:Meta)・Amazon.com)においても、AppleとFacebookは、すでにメタバース市場に数兆円単位の投資を行っており、Facebookに関しては、2021年10月に社名をMataへ変えて、メタバースを中心にビジネス展開すると宣言しているほどです。

このような市場環境の変化を受けて、日本でもメタバースは新しいマネタイズの場所として注目されています。
また、新型コロナウイルスの出現により、テレワークなどの在宅勤務が増加したことも、メタバース市場の拡大を後押しする要因となったことは言うまでもありません。

コンテンツ大国、日本はメタバース成功のキーマン!?

メタバースの成功、民主化のカギは、日本企業の関わりにあるという専門家もいます。
それは、メタバースの成功には「コンテンツ力」が必須だからです。

前述したLinden Labのセカンドライフは、魅力的なコンテンツがなかったということも敗因の要因と指摘されています。

その仮想空間にどうしても訪れたいという動機には、コンテンツの質が大きく左右します。

その点で考えると、日本は漫画・アニメ・ゲームなど超一流のコンテンツ大国です。
おもしろいコンテンツをつくることができるクリエイターもたくさんいます。また、昔ながらの職人文化が根付いており、クリエイターをリスペクトする文化もあります。
コンテンツ大国の日本
ドラゴンボール・NARUTO・ワンピース・ポケモン・鬼滅の刃・ファイナルファンタジー・マリオなど、世界的にも評価の高い作品が多く、その権利を持っているところもポイントです。

つまり日本は、魅力的なコンテンツづくりに重要な“人材”、“文化”、“権利”が揃っているのです。

これが、メタバースは日本復活のラストチャンスと言われている理由です。

多くの取得権利を民主化したテクノロジーの進化

テクノロジーは、これまでもさまざまな取得権利を民主化してきました。それまで専門家など限られた人しか知らなかった知識を、Googleは検索エンジンでみんながアクセスして習得できるよう、知識を民主化しました。
また、昔は新聞社やテレビ局など限られた人しか情報を発信することはできませんでしたが、今ではTwitter・ブログ・YouTubeを使えば、だれでも簡単に情報発信ができます。テクノロジーの進化により、民主化された行為のひとつです。

メタバースは、SNSのアカウントをつくるように、誰もが簡単に、自分だけの仮想空間をつくり、その中で楽しく過ごすという、まるでドラえもんの世界の話のような時代が、そう遠くない未来に実現する可能性を秘めているのです。

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