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ジェネレーティブAIとは?生成型AIを使うメリットや種類について紹介

ジェネレーティブAIとは?生成型AIを使うメリットや種類について紹介
近年のAI(人工知能)技術の進歩により、従来のパターン認識や推奨アルゴリズムだけでなく、「ジェネレーティブAI」(生成型AI)という新たな領域が急速に発展しています。

ジェネレーティブAIは、新たな内容を”生成”する能力を持ち、文学、音楽、デザイン、そしてコミュニケーションの形を進化させる力を秘めています。

本記事では、ジェネレーティブAIの基本概念や活用するメリット、種類などについて紹介します。

1. ジェネレーティブAI(生成型AI)とは?

ジェネレーティブAIとは、大量のデータからパターンを学習し、その学習結果をもとに新しいデータや情報を生成するAIの一種を指します。これは、人間が過去の経験や知識を用いて新しいアイデアを生み出すプロセスに似ています。

ジェネレーティブAIは、絵画、文章、音楽、3Dモデルなど、さまざまな形のコンテンツを生成することが可能です。

2. ジェネレーティブAIの技術

ジェネレーティブAIの中心技術としては、「深層学習」(Deep Learning)と「生成的敵対ネットワーク」(GANs:Generative Adversarial Networks)が挙げられます。

深層学習は、脳のニューロンの働きを模したニューラルネットワークを使用し、大量のデータから複雑なパターンを抽出する能力を持ちます。一方、GANsは二つのニューラルネットワーク(「生成ネットワーク」と「識別ネットワーク」)が相互に競争することで、データの生成精度を高めます。

3. ジェネレーティブAIを活用するメリットとは?

ジェネレーティブAIの活用には多くのメリットがあります。

メリット1:創造性の強化

ジェネレーティブAIは大量のデータからパターンを学習し、それを基に新しいコンテンツを生成します。これにより、人間の創造性を補完し、新たな視点やアイデアを提供することが可能です。アート、音楽、デザインなどの分野では、AIが新たなスタイルや手法を開拓する助けとなるでしょう。

メリット2:生産性の向上

コンテンツの自動生成は、時間とリソースを大幅に節約します。例えば、報告書の作成、ニュース記事の生成、ソフトウェアコードの書き換えなどの作業が、高速かつ効率的に行えます。これにより、人間はより高度な課題に注力することが可能になります。

メリット3:パーソナライゼーション

ジェネレーティブAIは、個々のユーザーのニーズや好みに応じたコンテンツを生成することができます。これにより、マーケティング、広告、製品推奨などの分野で、高度なパーソナライゼーションが可能になります。

メリット4:新たな価値の創出

ジェネレーティブAIは、これまでにない新しい製品やサービスを生み出す可能性があります。AIによる音楽やアートの生成は、新たなエンターテイメント形式の開発を可能にし、それによって新たな経済価値が生まれるかもしれません。

4. ジェネレーティブAIの種類

ジェネレーティブAIのツールについていくつか紹介します。

①ChatGPT

OpenAIが開発した大規模な言語モデルで、一連の単語や文章を与えられると、それに続くテキストを生成することができます。GPT-4は人間に近いレベルの文章を生成する能力を持つと評価されています。≫ChatGPTに関する記事はこちら
ChatGPT

②Stable Diffusion

深層学習の「text to image」モデル、任意のテキストを入力することで、そのテキストに見合った画像を短時間で生成してくれる画像生成AIサービスです。≫Stable Diffusionに関する記事はこちら

③SOUNDRAW

「ムード」「ジャンル」「テーマ」などを指定するだけで、オリジナル曲を作成してくれる音楽自動生成AIサービスです。AIで一度生成した曲を、自由にカスタマイズすることも可能です。AIが作る著作権フリーの音楽ができあがります。URL:https://soundraw.io/ja
SOUNDRAW

5. ジェネレーティブAIの課題とは?

ジェネレーティブAIは非常に強力で革新的なツールですが、それは同時にいくつかの課題も持っています。以下に、その主なものをいくつか挙げてみましょう。

倫理的な問題

ジェネレーティブAIによって作成されたコンテンツの著作権は誰に帰属するのか、AIが生成した情報が誤っていた場合の責任はどこにあるのかなど、新たな倫理的な問題が生じています。

信頼性と品質

AIが生成するコンテンツは必ずしも正確や信頼性が保証されるわけではありません。また、一部のコンテンツ(特に複雑な専門的知識を必要とするもの)においては、品質が一定しない可能性もあります。

深層偽造(Deepfake)

ジェネレーティブAIの技術は、人々の顔や声を真似たり、非現実的なビデオを作成したりするために悪用される可能性があります。これは、個人のプライバシーや社会の情報インフラストラクチャに対する深刻な脅威をもたらします。

データのバイアス

AIは学習するデータセットに含まれるバイアスを反映します。このため、ジェネレーティブAIが生成するコンテンツも、学習データのバイアスを引き継ぐ可能性があります。

アクセシビリティとデジタル分断

ジェネレーティブAIのような高度な技術へのアクセスは一部の人々や組織に限られ、全ての人々がそれを利用できるわけではありません。これにより、デジタル分断が深まる懸念があります。

これらの課題を解決するためには、適切な法規制、倫理的なガイドライン、AIの透明性と説明責任の強化、そして教育の普及が必要です。

6. まとめ

ジェネレーティブAIは、新たなコンテンツやアイデアを生成する力を持ち、これによりさまざまな分野での創造性を強化し、新たな価値を生み出す可能性があります。しかし、それはまた新たな倫理的な問題(著作権、情報の信頼性など)も引き起こします。

したがって、この技術の発展と共に、それを適切に管理・規制する方法を見つけることが、今後ますます重要になってくるでしょう。

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